息子と住む住まい

7月 13th, 2012

 私の友人の息子さんは在宅で闘病生活を続けています。

以前は、入院していましたが、4年前に在宅医療専門のクリニックを開業された先生を紹介していただき、在宅に切り替えたそうです。そのため、住まいをリフォームしました。今は、専用の車椅子で移動することもできますし、パソコンを使って、色々な人とのコミュニケーションもできるので、彼の生活の場を1階に設け、できるだけ壁をなくして、車椅子で自由に移動ができるように、段差をなくし、玄関から外出しやすいように、緩やかなスロープもつけました。

彼の部屋には、現在だけでなく、将来、必要な医療機器などが丸ごと収納できるように、作りつけの棚を設置しましたから、車椅子の移動にも支障がありません。

 在宅で闘病するということは、意識が闘病だけに向かわず、普段通りの家族との生活が続けられることで、心が癒されるというメリットがあります。反面、普通は、健常者が住むことを想定した住まいなので、闘病には不便であり、不安でもあります。そこで、介助しやすいように、専門家の助言を得て、住まいをリフォームしようと思ったそうです。頼んだ工務店さんは、福祉住環境コーディネーターの資格を持っていて、高齢者や障害者などが住みやすい環境を提案してくれましたし、実際に多くの施工事例を経験していました。それでも、彼女の息子さんのように、進行性の難病を持っている患者さんの在宅医療をしていく部屋ということで、想定外のことも多かったようです。

そこで、主治医や担当看護師にも会って、医学的な助言もしてもらい、病院も見学させてもらうなど、工務店さんなりに勉強もされたようです。住まいに必要とするものは、個々の家庭の事情によって違います。それを細かく聞いて、実現してくれるのが、このような仕事熱心な工務店さんです。