福祉から見た住まい

8月 24th, 2012

 先日、私が住む町で、1つの心温まる会が発足しました。

それは、福祉から見た住まいを考える集まりです。介護保険が施行されてから早いもので11年、介護保険を利用して、高齢者や障害者が在宅で自立した生活を可能にしたり、介護しやすい環境を整えたりするために、リフォームするケースが増えています。

しかし、個人によって障害の程度はさまざまですし、男性、女性、身長などの体形も違います。また、もともとある住まいのリフォームですから、さまざまなケースがあります。そこで、色々な専門家が連携していくことが大切ですが、なかなかその連携する場がありません。医療関係、福祉関係、建築関係の専門家が専門知識を出して、勉強会をしていくのだそうです。今まで、あるようでなかった勉強会です。

 例えば、単に手摺をつけると言っても、その人の身長によって設置する高さも違います。また、手摺の太さもその人によって、違います。その人の障害の部位や程度によって、手摺の設置場所も違います。手摺をつけることは簡単なことですが、その人のニーズに合った手摺をつけるということになると、とても難しいことです。まして、住まい全体を障害の程度に合わせて、リフォームしていくということは、そんなに簡単なことではありません。しかも、リフォームを担当するのは、医療や福祉の専門知識のない健常者の建築関係の専門家です。それぞれの知識が孤立した状態で、活かされていないのが現状です。

それらの専門家間の橋渡しをし、知識を補い、アドバイスしてくれたとしたら、個々のケースに即した対応ができます。これから医療の発達とともに、ますます在宅医療が推進されていきます。

在宅医療において、最重要課題は、環境を整えることです。在宅医療を支える医療環境、福祉環境だけでなく、住環境を整えることは不可欠になっていきます。それらの知識と経験豊富な工務店のニーズが増えてくることでしょう。