採光と遮熱、断熱

7月 22nd, 2014

市街地の住宅密集地に住まいを建てる時、必ずしも、採光に便利な方向に大きく開口しているわけではありません。例えば、西側の方向に大きく開口していれば、太陽の日差しの恩恵よりも被害の方が大きくなります。特に、春から秋にかけて、ぎらぎらとした西日が住まいの奥までさしこむことで、室温がかなり高くなってしまいます。室温が高いと、冷房効率が低くなってしまいます。太陽の日差しは、室内に明るさと暖かさを届けてくれます。しかし、太陽の光が入ってくる方向や季節によっては、明る過ぎたり、暑過ぎたりします。

私の友人が住まいを新築したのは、市街地の住宅密集地でしたが、土地の西側に川が流れていましたので、住宅密集地の狭い土地の割には、かなり開放感があります。川の土手には、遊歩道が整備されていますから、景色もいいです。この西側の土手と川の景色を借景にすれば、かなり開放感のある住まいになります。しかし、開放感を味わうためには、住まいの西側に大きな開口部が必要です。問題は、春から秋にかけての西日でした。川に面していることで、全く西日を遮るものがありません。そのため、対策を施さないでいると、昼過ぎから遮熱カーテンをしめっきりにしないといけません。これでは、西側の開放感は台無しです。そこで、遮熱タイプの複層ガラスを採用しました。遮熱タイプの複層ガラスは、太陽光の明るさだけを透過して、高い断熱性や遮熱性をもつ高性能の窓ガラスです。コスト的には、かなり大きな負担になりましたが、この投資によって、かなりの開放感と西日による暑さ対策が両立しました。実際に住んでみると、高い断熱性と遮熱性を備えているということは、西日対策だけでなく、室内の冷暖房効率をかなり向上させてくれました。以前は、このように高性能な窓ガラスがありませんでしたから、
西側に窓をつけないか、簾などで西日対策をしていました。建材の性能により住まいの居住性が上がっていきます。